ミニバスの公式な大会に行くと目にするコートサイドで旗を振っている人。
黄色の旗と赤色の旗を持ち時々その旗を振ったり、時にはゲームの進行を止めたりすることもあるマンツーマミッショナーについて解説。JBAの推奨するマンツーマンディフェンスの基本解説。マンツーマン推進に至った経緯も説明。

ゼロケンです
ミニバスの公式な大会ではほとんどいる人。コートサイド中央にいると思います。
あの「旗を振っている人」です!
「マンツーマンコミッショナー」という役割の人なのですが、ゲームの最中に黄色の旗と赤色の旗を持っています。
更にゲームの最中に「ザ・ザッ!!」と旗を振っています。
一体何をしている人なのでしょうか?
コチラの記事をご覧頂く事で
1:マンツーマンコミッショナーが何をしているのか理解できる
2:マンツーマンディフェンス推奨のバスケ界の背景を理解できる
3:黄色の旗と赤色の旗の違いが理解できる
4:マンツーマンペナルティが起こる要素を理解できる
5:マンツーマンディフェンス頑張ってみようという気になる!
ですので是非最後までご覧ください。
マンツーマンディフェンス(ゾーン禁止)に至った経緯
まずは何故「マンツーマンディフェンスが推進されるようになったのか?」についてご説明します。
この記事の始めでこちらを頭に入れてもらわないと
「今バスケ界がどういった方向で動いているのか?」
が見えてきませんので重要です。これには大きな流れがあります。
国際大会参加禁止
皆さんはご存じでしょうか?
2014年11月FIBA国際バスケットボール連盟よりJBA日本バスケットボール協会に「無期限の国際大会参加資格停止」の制裁が与えられました。「無期限です!」
?どういった事?
簡単に言うと世界大会、アジア大会など国を代表するような大会に参加する資格を無くした。
という事です!オリンピックにも出られないです!


FIBAが突き付けたこの制裁の背景ですが、JBA日本バスケットボール協会が長く
■男子のトップのリーグが2つ存在し(JBL、Bjリーグ)一つのリーグに統合できないでいる。
事がありました。
加えて
■JBAのガバナンスの強化
■日本代表(男子・女子)の強化および育成体制の確立
を明確にしてほしい。ということで解決のめどが立つまで
“無期限”
これは永遠に続く可能性があるという、非常に厳しい制裁を与えたのでした。
このままでは2016年に開催されるリオデジャネイロオリンピックへのチャレンジもできないのです。
解決しなければならない3つの問題
この問題を解決するべく立ち上がった組織が
”JAPAN 2024 TASKFORCE”です。
この”JAPAN 2024 TASKFORCE”の様々な改革案により
ついに2015年6月「無期限の国際大会参加資格停止」の制裁が解除されたのでした!!


流れをくんだ改革の一環
その後の国内のBリーグ発足、日本代表の東京オリンピック出場権獲得などバスケ界の躍進はご存じの通りかと思いますが(ここでは細かくは触れませんのでご了承ください)
制裁解除の一つの条件である
■日本代表(男子・女子)の強化および育成体制の確立
を行うために計画されたものが
「15歳以下でのマンツーマンディフェンスの推進」
なのです!ですからこちらの全体の流れを頭に入れてマンツーマンディフェンスのことも考えてくださいね。
マンツーマンディフェンスの移行
マンツーマンディフェンスに関してはJBAのほうで解説用のリーフレットが作成されています。
ダウンロードも無料でできますので是非ご覧ください。
リンクはコチラ(PDF)

逆に言うとゾーンディフェンス禁止となったわけですが、日本人のオフェンス、ディフェンス共に一対一の能力が世界と比べて足りない。
これを改善するため育成年代「特にミニバスのゲーム」で行われていたトラップを中心としたゾーンディフェンスを禁止してマンツーマンディフェンスのみとし
世界と対抗できるだけの一対一を中心とした「個の能力」を育てていこう。
という狙いがあります。
2015年から移行も進み現在に至っています。

ちょうど私のチームも「マンツーマン移行」を迎え逆に飛躍の要因ともなりました。よかったらご覧くださいね。
そちらの様子はコチラ⇊
ミニバスゼロ県日記~ゾーンディフェンス全盛からマンツーマンへ移行 正式参加も結果が出ない時期の様子
「一対一の能力を育てるためのゲーム」をする。
そのためにマンツーマンディフェンスをする。
という事ですが、私がコーチを始めて間もない頃は「ミニバスはゾーンディフェンス全盛」でした。
強いチームの何がうまいって「とにかくボール運び」がうまい!
逆にボール運びをうまくできないチームは全くバスケにならない。といったゲームがたくさんありました。
選手個人の能力が優れているとは必ずしも言えず、コーチの経験からくるシステムを覚える。(勿論すごいプレーヤーもたくさんいました!)
いわゆる選手の能力で勝ち負けが決まるのではなく、一対一よりシステムを覚える状況です。
具体的なマンツーマンディフェンスの解説
具体的なマンツーマンディフェンスの解説ですが、こちらの記事では基本中の基本の部分を解説していきます。
細かい解説は別記事にする予定です。
1:リーフレットから見るJBAのマンツーマンディフェンスの解説
2:マンツーマンコミッショナーの役割
3:マンツーマンペナルティの際の処置
で解説していきます。
マンツーマンディフェンス
マンツーマンディフェンスの一番の特徴は
「マークする選手を決めて基本的に一対一で守る(マッチアップ)」です。
コチラに対して
「エリアを守る」考えがゾーンディフェンスです。
マンツーマンディフェンスにもさまざまなものがありますが、育成年代では最低限「守る側のコート」フロントコートまでボールを運ばれたら「マッチアップエリア」を基準としてマークにつこうと推進されています。




当然オールコートを守るパターンもあります。
JBA推奨の基本
JBAの提示するマンツーマンディフェンスの基本は大まかに下記になります。
1:声出し(ナンバーコール)
2:指差し
3:1.5 M 以内のマッチアップ
ディフェンスは基本的に3種類
ボールマンのディフェンス
2線目のディナイディフェンス
3戦目のピストルディフェンス
マンツーマンコミッショナー
マンツーマン推進の中でゲームをしていると意図的ではないが「マッチアップが正確にされておらずエリアを守るゾーンディフェンスになってしまう場面が出てきます。小学校低学年は中々理解が難しいですから。
もう一つは、意図的にマッチアップ以外のボールマンを守ろうとする。もありますね。
当然マンツーマンディフェンスに対応するための練習しかしていない選手やチームにとって不利となってしまう場面となります。
そういったマンツーマンを推奨しているにも関わらず不利な状況にならないように「チームと関係のない第三者もゲームを監督、管理していこう」というのがマンツーマンコミッショナーの役割になります。
決してゾーンディフェンスを取り締まるとか監視するといったネガティブな趣旨から発足したものではありませんので。
マンツーマンコミッショナーには温かい目線で接してくださいね!

マンツーマンペナルティ/処置
具体的に説明していきます。
最終的にマンツーマンディフェンスに対するイリーガル”不正確”な事象は「マンツーマンペナルティ」となります。

黄色の旗:注意
赤色の旗:警告
私もJBAのマンツーマンコミッショナー研修を受けましたが
赤色の旗(警告)はなるべくあげたくない。
あげたくないために黄色の旗(注意)はたくさんあげるようにするという風に教わりました。
あくまでも主役は選手ですから、選手が気持ちよくプレーするためにゲームはなるべく止めたくないと。
マンツーマンペナルティの事象が起こった際には
1:すぐにゲームを止めるようなことはしない。黄色の旗を振ってコーチに注意を促し改善を図ってもらう。
現象が起こった際にはまず黄色の旗をあげ(注意)とし、チームのコーチに改善を促します。
こちらでリーガル”正確な”状態に戻れば黄色の旗は下ろされゲームが進行します。
2:それでも事象が改善されない場合は、赤い旗(警告)を上げ適切なタイミングでゲームをストップさせます。
3:両チームにイリーガルな事象について説明をします。
この時点でチームに対するペナルティなどはありません。
4:その後ゲームを再開するのですが、リーガル”正確な”状態に戻っていればそのままゲームが進行します。
5:それでも改善がみられない場合は赤色の旗が再度上がり(2度目の警告)
「コーチにマンツーマンペナルティ」が与えられることになります。
再度ゲームが止められ事象が説明された後
⇊
マンツーマンペナルティの処置としてフリースローが一本与えられます

こちらは経験上ですが、赤色の旗が1度and2度上がることはあっても
3度4度と上がる場面はそうそうありません。
現在はコーチライセンス制度も改革の真っただ中で、ライセンスを持った人のみがベンチで選手に指示を出すことを許されています。
昔のように資格も何もないがバスケ経験だけはある。といったコーチは存在しません。
ので最低限マンツーマン推奨のゲームを行わせるだけのスキルは持っていると思います。
3度4度と上がるばあいはおそらく「ゾーンディフェンス」を使って勝とうという意図をコーチがもっているのだと思います。JBAと逆の考えですね。
6:2度目の警告以降はマンツーマンペナルティの処置が都度発生します。
また
「U12においてコーチ自身にマンツーマンペナルティが 3 回記録された場合、コーチは失格退場となります」
マンツーマンコミッショナーの役割説明についてまとめ
いかがだったでしょうか?
細かくはもっとたくさんのマンツーマンディフェンスに関する推奨項目があるのですが、さらに細かい解説は別の記事にまとめさせていただきます。
抜かれることを大前提に予めカバーのポジションをとってしまうようなイリーガルなディフェンスにならないようにしっかりと練習でディフェンスの基礎を身に付けていきたいですね。
しっかりと一対一のディフェンス能力を身に付けた選手になってほしいと願っています。
———リンク紹介———
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カテゴリ:練習と理論
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カテゴリ:ゼロから県大会
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